430MHz バンドパスフィルターの製作

430MHz用バンドパスフィルター

同調共振型で、内部のコイルに当たるパイプとコンデンサーに当たる円盤状の板金にて同調をとるタイプである。
SSB帯に於いてFMパケット帯をカットするためにはかなり高いQが必要になる。 市販品ではコメットにて販売されているが、送受を可能にしている、
Qは低いので430MHz帯以外の混信には効果がある。


今回製作したものは、SSB帯域内の混信も考慮したもので、Qを高く 取っている。そのため、挿入損失は約3dBと大きくなっている。

概要
箱の大きさは20×20×18にしているが、18×18×18にしても良い。 内部のパイプは規格品の60Φを使用した。
18角ならば、50Φでも良いだろう。コンデンサー部は60Φの半分の30Φの板金にしている。 20〜40Φでもかまわない。
ボルト、ナットは市販品は無いので、真鍮加工等をしている人に 頼んで、切削加工してもらう。0.75だったと思うが、なるだけ細かいピッチが調整し易い。
コネクタはBNCで設計したが、M,NコネクタでもOKである。
内部の錫メッキ線は0.6mΦを使用したが、細ければQが高くなる 長さは85mmにしている。
90〜100mmにしたり、太さを1〜2mΦにすると挿入損失は 少なくなる。但しQは低くなる。
スペアナでカットアンドトライで 試行錯誤して作っている。

製作:
ガスレンジにて板金外箱を暖めながら、真鍮のパイプや、ナットに半田を流して固定する。
暖まっているうちに、100w以上の半田こてにて仕上げる。
寸法、部品を変更した場合はカットアンドトライでデーターを取りながら 調整を行う。
特に、錫メッキ線の長さや、形状、半田付け位置は微妙に変化するので、適当に決定する事。

図面:86KByte
特性図:156kbyte

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製作したのは 1995〜2000年頃であった。
当時は アマチュア無線 430Mhzは混みあっており、SSB帯域も空きが無いほど混んでいた。
周波数は 430,110、130、150 、、、、
20Kほど間隔を空けて開局し、偶数はFMアンカバーが多いため、避けていた。
リグを改造して、2線式にして、受信回路の前に 上記のバンドパスフィルタをいれて、
混信を防止していたのである。
プリアンプをいれるため、20K間隔と言えども、混信は避けられなかった。
2020年にもなると、無線機は 2線式への改造はできなくなり、デジタル化したため、混信も少なくなり、また、人も少なくなったため、
バンドパスフィルタは過去の遺物(飾り)になった。


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