情報力

 

ミッドウェー海戦



アメリカを勝利に導いた「敵を知る」情報収集

日本艦隊は南雲中将率いる機動部隊は4対3の優勢を保持していた。
アメリカは真珠湾以来日本の暗号を解読していたので、日本の計画に関して正確で詳細な情報を得ると言う利点があった。
しかし、日本の暗号が全て解読されていたように考えられるが、日本の暗号はそんなに幼稚なものではなかった。
D暗号ですら解読が難しい暗号をミッドウェー海戦前に改定されたD1暗号を解読していたとは考え難い。

情報の解読は努力の積み重ねと言われる。
優秀な指揮官はいろいろな出所から入手したあらゆる情報や断片や兆候に、考察と正確な判断を加えて敵の企図を看破するのである。

アメリカの中央暗号解読班は1万名と言われる。海底に沈んだイ124号潜水艦を引き揚げ暗号書が入されていたと考えられる。
しかし、攻撃目標がミッドウェーとどうして確信したのか?
攻撃作戦には、必要な艦船の修理、整備情報等の連絡電報からの推測もされている。
例えば、基地航空部隊電令作戦第15号に,第6.14航空隊のAF進出に関する電報が傍受されている。
これで、攻撃目標がAFでありAF攻撃部隊の資材、人員が5月25日までに集結することがわかってしまった。

だが、AFとは何処か?
AO、AF、AFGは地点略号であることは知られていた。
戦闘情報班のロシュフォード中佐はわざと「ミッドウェー島の蒸留施設が故障して飲料水が不足した」と言う電文を流した。
これに食いついた日本軍は作戦関係部隊に、「AFは水が不足している」、、、

実際には、偽電も送られているため、その真偽を判断するのは容易ではない

ミッドウェー北西から侵攻してくる日本機動部隊を北方海面で奇襲をかけるアメリカ艦隊の動向は、実は日本軍は察知していたのである。
しかし、情報を軽視していた軍司令部は敵艦隊はオーストラリア近海にいると過信し、南雲連合艦隊に全てをまかせ楽観視していたのである。
何故か?
艦隊数の圧倒的優勢、連戦連勝によるおごりに他ならない。
近代戦は情報の戦いであると言う苛烈な現実を無視したからに他ならない。


情報とは!


情報とは新しい価値を作り出すための素材である。
「知る」ための情報(状況を判断するため)
「決断」のための情報
「創造」のための情報(アイデア、コンセプト、プラン)

情報とは客観的事実ではなく、「関係」である

必要な情報がすぐ入手できるはずはない、関連から導き出す。
視点を変えると情報は変化する、判断が加わるのである。
例えば、機動隊とデモの衝突ではデモの立場(視点)から見ると「機動隊の権力」であり、機動隊の視点では「デモは単なる暴動」である

矛盾点から情報を読む

例えば、「原子力発電」について悪いことばかり書いてある雑誌は矛盾している
何故なら、善悪が必ず存在するからである。
徳川綱吉は本当に「犬将軍」で悪だったのか?、、等

情報過多の時代に踊らされないこと


インターネット等で情報は氾濫しているが如何に選択するかである。
長期的な視野で読む
円高は大変、しかし長期的にはどうか?
不景気は大変だが、本当に悪か?長期的にはどうか?。

問題意識が情報をキャッチする

問題があるから、五感を使って意識するのである
ある事柄が進行して行くとき、変化がなければそのまま見過ごされてしまう
しかし、変化が生じれば、注目されその事柄は情報として登録される
変化は過去の知識や経験と照合して対処されるのである。

最大の情報源は自分自身である

解決すべき目標がはっきりしていること
頭の中の知識、経験から内部情報を導き出す
その後、関係ありそうな外部情報を集める
組み合わせてアイデアを出すことで、「情報をあつめろ」と言われてすぐに資料室に行ったりすることではないのである。

発想をもたらすものは何か?


 経験が情報である、過去の経験や知り得た知識を組み合わせて思考している
 直感とは体感経験と知識による発想に他ならない。

情報集めのポイント

 取材とは「準備」である
 内部情報の探索を始める。
 社内情報の収集
 人が情報源、発想源である
 情報の生命は「事実」である

   新しい、早い情報より、詳しく、正しい情報であること
   関係ある情報から関係ありそうな情報をめる
   都合の悪いマイナス情報も集めること
   意見、解釈より事実

    情報と名のつくものは必ず主観が入り込んでいる。
    事実と解釈を分析する必要がある。
    背景はなにか、何を意図した情報か?