甲斐の国(山梨県)の旅紀行
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山梨県の武田神社〜早川町〜西山温泉慶雲館へ

甲斐の国(山梨県)の温泉に行くのは初めてである。
埼玉県か甲府へ抜けるルートは2つある。
1つは、今回走った高速道路。圏央道から八王子インタを抜けて中央道経由と
秩父路、三峰神社を経由して雁坂峠を抜けるルートがある。

今は、11月中旬、紅葉がきれいな季節である。
距離的に近い雁坂峠を秩父の紅葉を見ながら走るのは格別だろうが、今回はやめた。
平日移動ならともかく、休日の秩父路は渋滞する。
何時間かかるかわからないからである。

約2時間半で武田神社に到着した
武田家の居城、躑躅が崎館跡に 移設された神社である
戦国時代の永正16年(1519年)に甲斐守護・武田信虎により居館(躑躅ヶ崎館、武田氏館)が築かれ、家臣団が集住して武田城下町が形成された。以来信虎・晴信(信玄)・勝頼三代にわたって武田領国の中心地として機能し天正10年(1582年)3月の武田氏滅亡後もしばらくは政治的中心地であった。


   

能舞台






武田神社のお参りがおわったので、近くにある甲斐善光寺へお参りをした。
甲斐善光寺は、長野の善光寺が、川中島の戦いで焼失するのを恐れ、
武田信玄が、甲斐の国へご本尊善光寺如来をはじめ諸仏寺宝類を奉納したことに始まる
善光寺が山梨にもあるのは知らなかった。


 

神社と甲斐善光寺のお参りが終わったので、いよいよ山奥の紅葉と温泉を求めて旅立つ、
早川町を目指す。更に2時間の行程である。
早川町は山梨県の南西部に位置し、南アルプスの山々に囲まれた大小の滝や渓谷が美しい町で
ある。
TVの帰れマンデーと言う番組で、秘湯温泉の慶雲館へ早川町を歩いていく番組に
「おばあちゃんたちの店」が出ていたので、これを見ながら注意深く山道を登っていった。


甲府から西山温泉に行くルートは 2種類ある。
ひとつは、夜叉神峠 夜叉神トンネルを抜ける林道コース、距離も短い
もうひとつは、かなり南下して 身延町まで降りてから、早川町を進むルートがある
夜叉神ルートは約60km 早川町ルートは75km
しかし、2019年夏の豪雨により夜叉神ルートは通行止めになっていた。

訪れる温泉は その奥にある西山温泉の一軒家、慶雲館
歴史は古く、藤原鎌足の長男真人が開場したという飛鳥時代に始まる

世界最古の宿として ギネス登録され、日本随一の湧出量の秘湯温泉である
自然湧きだしの源泉は ナトリウム・カルシウム硫酸塩、低張性アルカリ性高温泉、
平成17年には52度毎分1600リットルの自噴泉が出たことで、源泉かけ流しの温泉になっている。



日本には、温泉は多いけど、加温、加水をせずに、
源泉をかけ流している温泉の一つである
近くには、古くからの湯治場として元湯蓬莱館という宿がもう一軒ある
渓谷の中に立つ一軒家なので、駐車場は無い。

到着すると、仲居さんが出迎えてくれた。
おもてなしの宿としても有名なのだ。


部屋まで仲居さんに案内してもらった、
清潔で質素な廊下を通って案内されたのは川を望むテラスのある12畳の和室である。、

この宿まで身延線の駅から約30km 早川町役場からでも 15kmあった。、
ふと、気になったので、仲居さんはここから十数キロも離れた、街中から通っているのですか?
聞いたら、
近くにある、寮に住んでいるとの事、
山奥での生活を思い浮かべた。

  
   

12畳の部屋には、川を眺められる小さなテラスが付いていた。
テラスに座って見る橋の眺めは、紅葉の赤が綺麗に溶け込んでいた。

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楽しみは温泉と食事である。
下記の写真は朝食である



夕食は、部屋食ではなく、座敷のお食事処でいただく、
個人的には、部屋食よりも食事処の方が
食べ終わった頃、次々と料理を運んでくれる
ところが好きだ。
以前、部屋食で食べたが、食べ終わっても、次の料理が来るまで飽きてしまった経緯がある。



始めは、食前酒(かりん酒)をいただき、先付けと前菜に手を付ける。
酒は元々あまり飲めないので、注文はしない、
また、せっかくの料理が酒を飲むと
味わえなくなってしまうので敢えて飲まない
真剣に食べたいからである。

南瓜豆腐
平茸とアボガドわさび風味
大黒しめじ素焼き
銀杏白和え、、などなど
吸い物は 深山コンソメ仕立て



お造りは 
茜ますと五月マス身延湯葉 など、、
山奥で、マグロや蟹料理が出るところもあるが、それはそれでよいのだが、
やはり山魚を食べたいものだ。


どんぐり麺を特製の出汁に付けて食べる。出汁の塩加減が絶妙であった。
麺はどんぐりを練り込んである。
日本ではあまりたべられていない食材だが、近年、健康食品として通販でも売られている


これは温野菜の味噌フォンデュ仕立て
温野菜にまぶして食べるとおいしい

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この後、ヤマメの幽庵焼き、甲州牛の溶岩焼きもでたが、
食事に気をとられ、写真を撮るのを忘れてしまった。

この山女魚料理は下味処理をしてあり、皮が柔らかくとても美味しかった

以前湯沢温泉旅館で食べた アユの塩焼き料理を思い出した
袋田の滝に行った時、お土産屋の茶屋で、炭火でアユの塩焼きを売っていた。
おもわず、買ってその場で食べたアユは、皮が柔らかく美味しかった。
この印象がつよかったのか、旅館で出るアユの塩焼きに期待していたのだが、
皮が固く、まずかった。
ガスで焼き、保存しておいたアユを、配膳するときに、更に表面だけ焼き増ししたように思えた

今回の山女魚も期待していなかったが、予想に反して、とてもおいしかった。
さすが、料理人の腕がよいのだろう。

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それはさておき、甲州牛A5ランクは、影も形もない。
残ったのは鉄板かわりの溶岩の板である。
これは、富士山の溶岩を使った焼板との事、今は世界遺産登録されたため、入手は困難なようだ。
固形燃料に火をつけて、しばらくすると高温になる
この上に、付け野菜を乗せ、ジュウジュウ音がしてきたら、甲州牛をのせて焼くのだ



最後は、新潟南魚沼産のこしひかりの蓮根ご飯と赤出汁、べったら漬け
新潟南魚沼産コシヒカリなので、そのまま食べたかったが、これも予想外、
蓮根ご飯は程よく出汁が効いて、お替りして2杯食べてしまった。


この旅館の料理は、夜に喉が渇かなかった。
旅館に行って夜寝る前になると、喉が渇いてお茶を飲みたくなる事があるが、
味付けが濃い旅館は料理が下手だ。

料理の味付けを濃くすることで、美味しくかんじさせる努力をしているからだ、
薄味で美味しく料理するのは、ごまかしが効かないので職人の腕が問われる。

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最後は温泉である


最後は温泉、 24時間入浴可能である、

石風の湯
桧香の湯
白鳳の湯、(露天)
望渓の湯
後2か所あるが、貸し切り露天風呂である

朝5時、暗い露天風呂、入ったのは 白鳳の湯
源泉が出てくるところは、熱いが、遠くになるほど温くなってくる。
1人でのんびり湯につかっていた。
いつまでも、健康で旅行できるといいな、、とふと思いながら、、、



温泉旅館の楽しみかたは、人それぞれだ。
家族とバイキング料理で腹いっぱい食べて、観光地を巡る旅、いろいろな人がいるので、
山奥の旅館でも海の幸、ケーキ類があってもよい。
子供に山菜料理は、、、、
酒飲んで、大いに騒ぐ、、(他の人に迷惑かけないように)なんてのもよいだろう。

日光鬼怒川温泉でバイキングコースで一泊したが、
料理はそれほどでもないが、カレー、蕎麦、ケーキ、やせ細ったちいさなカニ、焼き肉
結構楽しめるものだ、
社員旅行の宴会旅館は、鍋が主流で、騒ぐのが目的なので料理は覚えていない


でも、今回のような旅館は、静かに料理と温泉を楽しみたいものだ。。