マイコンスタンバイ回路

マイコン式 スタンバイ回路
    直下プリアンプは 144M、430M 1200Mhzで使われる
    同軸ケーブルのロスが大きいのが大きな原因である
    例えば
         430Mhz で 当家では 約35mの10D-SFAを這わしているが、リグで 50Wを投入しても
        アンテナの入口では 17W程度 約3分の1程度に落ちてしまうのである。
        IC9700などのリグには 20dB程度のプリアンプは搭載されているが、ケーブルでロスした信号は復元できないので、アンテナ直下で増幅してやる。   

        しかし、問題なのはプリアンプを起動していると、送信はできない、
        同軸リレーで プリアンプをスルーしてやる必要がある
   
   MICのPTTを押すと、リレーでプリアンプをスルーに切り替えるのである。
   MICのPTTをチャカチャカ押しても、正常にプリ回路がスルーに切り替わり、リグの送信電波がでるようにしなければならない。
   メーカー製の直下プリでは 送信電波によってリレーで切り替える、キャリアコントロールという方式もある。
   この方式は プリアンプに送信電波を検出する回路がついているので、ある程度は性能を犠牲にしている。
   壊れやすいし、ノイズも多い。


ー−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

   スタンバイ回路は昔から CR時定数によるタイミング回路が使われている
   MICのPTTを押すとコンデンサに電荷がたまっていくことにより、トランジスタがONになるようにしている。
   MICのPTTがOFFになるとコンデンサから放電が始まり トランジスタがOFFする(リレーがOFF)
   
   MICのPTTを押す時間が十分に取られている場合は問題ないが、
   チャカチャカ押すと、CRの充放電が間に合わず、プリアンプリレーが切り替わらない間PTTが働いてに送信電波が出て、プリを破壊してしまう
   事がある。
   また、コンデンサは 経年変化で 容量が減るので、タイミングが短くなる傾向にある
   同軸リレーの切り替え時間は 100mSほどあるので、
   PTTを押してから、リレーを切り替えてから 最低200ms以上経過してから 送信するようにする必要がある。
  
  通常は 500mS程度とる方がよい。


 
回路の設計



リレーの切り替えタイミングは 約 50mS 
マイコンの場合は MICのPTTをチャカチャカしても、プログラムで対応できるので、CR時定数を考える必要がない。、
タイミングを200mS程度まで 短縮することが可能になる

ただし、マイコンは無線電波による誤動作を考慮しておく必要がある。

1)電源や配線の入出力には 当然 フィルタを入れておく
2)プリアンプ電源が切れない(リレーがON)しない限り、PTTのリレーには電圧がかからないので、PTTが働く事はないようにしておく。
3)マイコンが暴走して I/O 出力が全部 「H」の状態になっても、リレーが働かないように PNP,NPN トランジスタで回路構成しておく


タイミング動作

   1)MICのPTTが ONすると10mS 後に PB4出力を L にして 5Vリレーに電源を供給させる
   2)直後にPB4ーL PB3-H にして リレーの電源をONにする 
                         直下プリが切れる、
                         ー−−直下プリの同軸リレーが切り替わり始める。

   3)直下の同軸リレーが切り替わった頃合いをみるので、
     250mS後に PB0を H にして PTTの12VリレーをONにする 
              すなわち リグのPTTを ONにして 送信を開始する。

   4)MICのPTTをOFF にすると 直後に PB0を L にして リグのPTTをOFFにする
   5)約50mS後に PB3ーL、PB4ーH  にしてリレーをOFFして直下プリに電源を供給する
                                   ー−直下の同軸リレーが動き始める

   あとは 1)に戻る
   
   MICのPTTをチャカチャカ、コンデンサの経年変化で、タイミングが狂うことはないので MICのPTTを押してからリグのPTTが入る時間を
   半分にすることができる。
   ショットキーダイオードもいらなくなるので 回路は簡単になるのもうれしい。




リレーは 松下のマイクロリレーを使った 12Vから作り出す 5Vは 3端子レギュレータ 7805を使う
この7805は 1A用であるが、勘違いしてはいけないのは 無限大放熱フィンを使った場合であること。
100mA程度しか流せないのだ、 放熱フィンをつけることで 500mA位まで使える
実際は リレー+マイコンで 100mAも流れていないので、 放熱フィンは無くても OKである

12V電源(13,8V)には ノイズフィルターを入れている
当然直下プリアンプへの配線にもノイズフィルタを入れている。

LED類は 基板の電源供給やPTTの動作を見るLEDである 約6mA程度流している
昔、CQ誌に LEDのの定格は20mAだから 5V電源で 200オームの抵抗を入れて 20mA流す、、、、なんて記事がでていた、
電機メーカーの若い電気設計者でさえそう思っている素人がいる。
間違ってはいないが、プロはLEDはこんな使い方しないのが普通である。。




プログラム

   マイコンは 1個 100円位の ATiny13 を使う
   内臓のクロック を起動させている
   言語は、 アセンブラで作ってみた、単純にリレーをON-OFFさせるだけなのでアセンブラの方が簡単と思う。

   メインプログラムは 下記のように数十行で終わる。

  MICーPTTを押して 10msはチャタリング確認する
  直下プリのリレーを切るー−−>切り替え時間 約50〜150ms 
  300ms後にリグのPTTを ONにする。 200msでもよいのだが、個人的に心配性なのだ。
  今まで、500ms で使っていたので、実用上は、まったく問題はないと思う。
 
  MIC-PTTを切ると、即時、リグのPTTをOFFにする (リレー切り替え時間50ms)
  その後 50ms後に 直下プリの電源が入り、直下プリの同軸リレーも切り替わる
  ここは、50msの時間を取らなくても、直下プリの切り替えで 50〜100msかかるので、問題はない。
  個人的な趣味である。




マイコンが故障しても、リグのPTTが働く事はないし、コンデンサの充放電と言う不安定な要素もないので、安心して使える。

問題なのは 、リグの電源付近に配置されている 「TENSMIT]」と言うスイッチと 「VOX」機能である。
SSBで 直下プリを使わない人は、便利な機能なのかもしれないが、 直下プリを使う人は、甚だ迷惑な機能である。
VOX機能は設定で OFFにできるが、「TRANSMIT」はどうしようもない。
昔のリグは 配線をカットできたが、今のマイコンリグは切ることができないので、カバーを付けて接着剤固定するしかない。

I






2024-6

スタンバイ回路と 10Mhz発振器、リニアアンプのSWを 1つのケースにいれた。

FT8をやるときは、LAN接続すると同時に、スタンバイ回路の電源を落とす
スタンバイ回路を切り離すことで、プリアンプの回路を切っている。
プリアンプの動作中に誤ってFT8送信すると、プリが壊れてしまう。
SSB中にLAN回路を切っているのも、SSB使用中に誤ってFT8を起動させてしまうことの防止である