スタンバイ回路の製作
プリアンプが必要なのは、144M、430M1200Mhzだろう
理由は、同軸ケーブルによるロスが多いため、増幅の意味がある。アンテナの近くに設置するのは直下型プリアンプである
市販品で、キャリアコントロールで、送信受信を切り替える物がある
このタイプは、受信アンプの出力にダイオードなどを入れて、リグからの送信キャリアを拾ってリレーを切り替える
ある程度のロスやノイズは覚悟しなければならない。当然 FETも壊れるのは覚悟である
基本的にはキャリアコントロールはリニアアンプなら成り立つが、プリアンプは成り立たないと思った方が正しい
理由は簡単、
送信電波を検出して、リレーを切り替えるのだが、リレーの切り替えに50msほどかかる。
この間に、送信電波がプリの出力を叩くので、壊れないわけがないのである。
だから、プリの出力に保護回路を入れる。
アンプの性能は落ちる、、、
参考まで、今は生産していないアンテンの直下プリは、スタンバイ回路を入れないと必ず壊れる
10W程度で使っている人は良いが 50W以上になると、キャリコンが追いつかない
送受の切替(プリアンプから PTT送信)のタイミングは早いほど、使いやすいが、市販品は注意が必要である。
安い直下プリアンプは 高周波リレーが用いられ、切替タイミングは50msほどであるが
同軸リレーは 多少タイミングが遅い
直下プリアンプと共にスタンバイ回路も売られている
タイミングの早い市販品があるが、回路はコンデンサの充放電タイミングなので、劣化によってタイミングが早くなってしまう事ので注意。
最低 300msはほしい。
筆者は500msとって、30年使っているが、プリアンプを破損したことはない。
また人によっては、マイクのPTT操作でチャタリングのように、PTTを押す人もいる
直下プリが時々破損してしまうのはこの充放電の設計が未熟だからだ。
スタンバイ回路の製作とノウハウ
プリスイッチを入れると、直下プリ用のリレーが働き直下プリアンプに12V電源が供給される。
同時に内部回路のPTT用、リニアスタンバイ用のリレー電源が遮断されPTTリレー誤動作による誤送信を防止する。
MICのPTTを押すと瞬時に直下プリ用のリレーが切れリニアスタンバイリレーが0.2秒後に働き
PTTリレーがその後0.3秒後に働く
MICのPTTボタンを押してから 0.5秒後に リグのPTTが押されることになる。
MICのPTTを離すと瞬時にPTTリレーが切れPTTとリニアスタンバイが止まる
0.1秒後に直下用のリレーが働き直下プリアンプに電源が供給される。
チャタリング操作に対応するためには。 最低300〜500ms以上必要になる。
チャタリング操作とは、MICのPTTボタンをOFFしてすぐONにする操作である、指が滑ったり、焦っているときに起こす
この操作をすると、コンデンサの充放電でタイミング操作しているため、タイミングがずれるのである。
リレーは12v用で2回路を使用する。トランジスタは2SC2120、2SC1815等を使用する。
コンデンサは16v以上の新しい物を利用する。コンデンサーは経年変化で容量抜けが生じる
半固定抵抗抵抗は金属皮膜タイプを使用する。安いものは接触不良を起こしやすいからである。
ダイオードはリレーの逆起電力吸収用は通常のダイオードを用いる。PTT動作用はショットキータイプを使用する。
ノウハウ:
電源回路にはフェライトコアーを使用して回り込み等の誤動作を防止する
リニアスタンバイ、直下プリアンプ回路にもフェライトコアー等を挿入して誤動作を防止している。
リレーのC接点を利用した2重保護回路により、直下プリアンプの電源が切れないかぎり、PTTリレーは働かないように
している。
八重洲のRIGの場合はアースに注意が必要である。
MICのアースと回路のアースを同時半田すると回り込みを起こす場合がある。
回路のアースはMICコネクタの金属部に半田付けをしてRIGの筐体から取るようにする
MICアースは別回路としておく。
回路図1は リレーを2個使った回路である
プリ電源OFFからPTTONまで 約500ms取る。
コンデンサやVRの劣化、PTTのチャタリング操作を考慮しているのである。
回路図2は リレーを3個使っている
リニアスタンバイのリレーが1個追加されている、 (恐らく必要ないだろう)
回路図3は マイコンスタンバイ回路である
マイコン回路は 正確にタイミングを取ることができるので 200〜300msに正確に設定できる
PTTのチャタリング操作にも対応できるので、タイミングを早くできるのである。
ショットキーバリアダイオードもいらない簡単な回路になる
、マイコンの誤動作をきちんと考慮しないとならないので、ちょっと複雑なPNP、NPNのTRを使っている
欠点は、マイコンプログラムができないと製作できない事である。
回路図1 回路図2 回路図3
スタンバイ回路はリレーを使っている。
トランジスタやFETを使ってフォトカプラでPTT制御するの製作例も見かけるが、
誤動作や、素子が破損劣化した場合は、プリを破壊してしまう可能性があるので、個人的には作らない。
リレーのC接点方式が安全なのである。
下記のスタンバイ機は古いもので、過去販売されていた。内部はトランジスタで12Vプリ電源を供給し、
とフォトカプラでPTTをコントロールしていた。
非常に危険な回路であった。プリ電源を供給したまま、PTTが働き、プリを破壊した人もいたのではないだろうか?
当然、リレー式に改造した。