1:1バランの製作

最近 FT8でバランを溶かす(焼損)する人が多いと聴く。
耐入力 3kwPEP とか書かれているが、SSBやCW時代にはさほど気にしなくてもよかったが
FT8 は 3kwPEPの 耐入力は600W程度なのだ。 1/5 位と見てよいだろう。

だから、3.5Mhzや 7Mhz でリニアアンプを入れて 1kW出していた人たちが FT8をそのままやると
焼損してしまうのである。

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下記のバランは FT8では 最大 500W程度と思ってよいだろう。

1:1バラン 50Ω:50Ω       

       バランは1:1や 1:2など アンテナのインピーダンスに合わせて作るのが正解であるが
       アンテナの設置状況などで多少変化するので、細かく設定はできない
       
       通常;ワイヤーダイポールアンテナは 凡そ、25Ω〜75Ωまで インピーダンスは変わる
       よって、 1:1 50Ωバランで対応する
              
フェライトコアの種類
      
棒状やフェライトコアがあるが、どちらを使っても特性はあまり変わらない。
市販品がフェライト棒を使うのは、1.8Mhz〜30Mhzまでバンド幅を広げたいためである
フェライトコアの場合は、単一周波数でつかう。

  

縦型のフェライトを使ったり、円形のフェライトコアを使って作る
特性が変化するが、使用する周波数 ここでは 3.5Mhz用に焦点を合わせてみた。

  



  

フェライトコアは 周波数が高くなるにつれて上がっている



クリエートのHFバランを見てみよう。
自作したものと変わりない特性になっている。

   




 

0.5mmφの線をダブルにして トリファイラ巻きにしてみた

同じ測定方法で SWR=1.1以下になった。


同軸バラン

海外で使われるのは 同軸バランが多い。安く、高耐圧のバランが作れるメリットがある。

 


ミニマルチの3.5MhzのDPアンテナは どのバランを使っても大差はなかったが、
最終的には、取説に掲載されていた同軸バランを付けている。

しかし、同軸バランは不平衡-平衡変換特性がイマイチ、と言う情報もあり、
アンテナ全体で見直す必要があるので、注意が必要である。

バランの注意は 耐圧である。
100WのSSB時代には PEPなので 200Wの大進のバランでも十分問題ないが、FT8の時代に入ると。
約4分の1程度と思った方がよい。
200Wの無線機を使っているのだが、バランやアンテナは 1kW以上の耐圧が必要である。

1kWのリニアをFT8で使うなら 5Kwのアンテナやバランが必要になる。
バランが溶けたと言う話を聞くが、1kW〜3kWのアンテナで 1KWnoリニアを使ったらもたないのは当然だ。
今までのアンテナFT8をやるなら、500W程度にしておくべきだろう。




さて 製作したものと、市販品を比較してみよう

 

クリエートの2Kタイプ 730Vについていたバラン


 

コメットの市販品 1.8Mhz〜56Mhzまで使えるもの、

 

昔のクリエートのバランを 3Mhzまで巻き数を増やしたもの

 

フェライトコアを2個使って FT8用500Wまで使えるようにしたもの
これは、1.8Mhz〜使えるようにしたもので、
3.5Mhz用には性能が高いが高い周波数はNGである