アンテナチューナの活用

アンテナチューナー

       HFアンテナは、フルサイズであれば、運用する周波数では SWRが1.5以内に収まるが
       短縮アンテナでは、どうしても、端から端まで周波数を移動させると、SWRが1.5を超えるような事が
       発生する。
       そこで、アンテナのマッチングを取るために、アンテナチューナーを入れてマッチングを取り
       SWR1.5以内に収まるようにして 無線機の出力を保護してきた、と同時に綺麗な電波を出す努力をしてきた
       
       最近の(昔からあったが)無線機はアンテナチューナーが標準装備されているため、
       出たい周波数では、「tune」をとるだけで済むようになった

       でも、何故今更、アンテナチューナーを入れるのか?

       理由は下記になる

       1)パワーを上げるとSWRが大きく影響する。リニアアンプを外付けしたら、アンテナチューナーは必須になる
       2)200w機になると 内臓TUNE を働かせると 180Wくらいに落ちる (大した差ではないが)
       3)自作のアンテナやワイヤーアンテナで いろいろな周波数に出たい時
         (内臓アンテナチューナーでは マッチングが取れないから、、、
       4)趣味で マッチング取りながら運用するのが楽しいから、
       5)強風などでアンテナトラブルの発生をみるためや、障害物で方向によってはSWRが変わる




この機種は FTDX101MP で200W機である
しかし、内臓アンテナチューナーを働かせると、180W程度に出力が落ちる
そこで、大した差ではないが、アンテナチューナーを付けて、 SWR1.0 で200Wを出している

注意するのは、勘違いされている方がいますが、アンテナチューナーは魔法の箱ではない、、と言う事

よく相手局が聞こえるけど、全然飛んでいかない。
SWR計では 1.5以下で、パワーもでているのに???


基本は、アンテナ単体で マッチングを取ることが重要です。
同一周波数内で 1.5以下にしたいときや、建物や障害物で 1.5を超えるときに使うもの、、、と考えた方がよい
元々、SWRが 3.0を超えるアンテナにチューナーを使って下げても、期待はできない。






       Vダイポールは 自作の18Mhz+10Mhzアンテナ、下は Radix 50Mhzの4エレである

       18Mhzは SWRが1.3程度になったが、10MHzは短縮なので、SWRが1.5〜1.7程度である
       よって、アンテナチューナで SWRを落とす必要がある。

      

きもちよく SWRが1.0 出力 200Wでている



アンテナチューナーの選び方

   

コメットのCAT−300、 クラニシ NT535 MJF−962D

コメットのCAT−300は 300Wまで使える
       周波数切替は ロータリーSWで切り替えるので、使いやすい
       7MHzで メモリ 2.5、 2.5
       14M〜28Mまで  左右ともに  1.0〜1.5付近になる
       調整が微妙なところが 使いずらい 触れる程度で変わってしまう
       50Mhz ではマッチングがとれなかった ノーマルのほうがSWRは良い
       (24・28レンジで取れるという事もきいている)

       14Mhzで使ってみたが、つまみを触れるだけで変わってしまうので、14Mhzでの送信しながらの調整は困難であった。
       1.9〜7Mhz以下で使うのによい。
       

クラニシ NT535 は30年前の機種である、200Wまでしか使えない 1.9Mhzは使えない
       FTDX101MP の200W機では メーターが降り切れてしまう。
       面倒なのは SWR測定するとき、MAX調整しなければならない、
       でも1回やってしまえばよい
     
        この機種は バリコン調整範囲が大きく、微妙でないので、使いやすい
       50MHZの調整もOKである
       昔の名器である。

MJF−962D は 1.5Kwに対応している 
       リニアアンプに必須のチューナーである    
       私には必要ないが、ローラインダクーつまみが面白そうなので、購入した。

       これは、使いやすくもあり、面倒でもある
       50Mhzは調整できなかった

       使いやすいのは、バリコンつまみの調整範囲が広いので、マッチングを取りやすい
       面倒なのは 面白そうで買った、ローターリーつまみが意外に面倒である

       000〜125まで 動かせるのだが、14Mhz〜28Mhz は 115〜120程度なので、あまり回さなくても良いが
       7Mhzで 110    3.5Mhzで 89 
       数十回転させないとならない 
       さらに、メモリが読めない、機械的なメモリ表示4桁あって、もっと細かいとよいのだが、、、

       しかし、同一周波数での調整はローラーインダクタは殆ど動かさないでバリコンつまみで、結構楽に調整できる



  

   


結論は アンテナによって使い分ける
SWRが1.0表示は気持ちが良い。
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50Mhzアンテナ は NT−535 クラニシを使う  (他の機種では調整できなかった)

3.5Mhzは CAT−300を使う  3.5Mに切り替えて バリコンつまみは 4.5 4.0 にする
調整が困難なので、周波数を固定した使い方が便利である。

7M〜28Mの 318−40 アンテナは NT-535
         調整がしやすい、200Wの時は メモリがMAXになる。
         同一周波数内のマッチングも楽である。

10M、18Mの自作アンテナは  MJF−962D 
      ロータリーつまみは 115〜120なので さほど回転させなくてもよいし
      バリコンつまみも調整の範囲がひろいので、使いやすい
      特に短縮した10Mhzは通常でもSWR1.7位あるので、 必須であるが 上記写真のように
      気持ちよく SWR1.0に収まってくれる。

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CAT−300のは 7Mと 3.5Mhzには使えるが、 10Mhz以上では私には使えなかった
          理由は、7Mhzで 2.5位 3.5Mhz で 4.5位のつまみ調整なので楽だが
               10Mhz以上は 1.0〜1.5 位になってしまう。
               少しつまみに触るだけで変化してしまうので、SWRの調整が困難、同一周波数での調整はほぼ不可能
               この機種は  1.9M〜7Mhzのワイヤーアンテナ移動用に使うのがよいだろう。

               10Mhz以上で使いたいなら、CAT−300はお勧めしない。


 

追記

面白いのは 50Mhzは 3.5Mのワイヤーアンテナ、318−40 HFアンテナ 
どれでも運用できるのである。
クラニシのNT−535の場合、SWR1.0にして運用できるのである。


しかし、、相手局は聞こえるが、飛びを期待してはいけない。
やはり、アンテナはフルサイズ、
短縮でも単体できちんと同調を取って、無駄なく電波を飛ばせるようにするのが重要である
アンテナチューナーまかせ、、、、はお勧めできない

後は屋根や障害物の干渉で SWRが上がってしまうのを、アンテナチューナーで補正する、、、という考え方が重要である


 

CAT−300の改造

CAT−300 をこのまま箪笥の肥やしにしておくのはもったいない
クロスメーターが見やすいからである。
是非、自作の10M−18Mに使いたいものである。

内部を見て改造をしてみよう



標準的な T型マッチングのようである。
1.9Mhzに対応しているため、コンデンサは大きい。

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コイルを広げて L分を変えてみた。
バンドの切り替え表示が変わった 7Mで 表示が10Mの位置に変った
つまみの位置を変えた



7.074Mhz    バンド7  4.0  4.0
10.136Mhz   バンド14  7.6  4.9
14.074Mhz   バンド14  2.6  2.8
18.100Mhz   バンド21  6.2  5.6
21.074Mhz   バンド21  3.0  3.0
28.074Mhz   バンド21  3.3  3.5

50Mhzは、まだ使えないが、 まあまあマッチングをとりやすくなった、







改造はまだまだ続くーーーーーーーーーーーーー

1.9Mhzまで対応しているため コンデンサが330PFであった。
50Mhzは50PFもあればよいので、 バリコンの稼働範囲が狭くなるのは当然である
7Mhz以上なら 200PFもあれば十分である
バリコンの容量が少なくなれば、つまみの調整範囲は広くなる。


私は 1.9Mhz は使わない、3.5Mhzは MJF−962Dを使う
すると CAT−300は 7Mhz以上であればよい。

この機種のバリコンは タイトバリコンなどの市販品を使わず、オリジナルで作られている




羽はギャップが1.5mm程度広く、300Wに対応している。
分解して羽を取れば 容量は下がる 羽を11枚にして 180PF にした。

一応、3.5Mhz〜50Mhzまで使える、非常に使いやすいアンテナチューナーになった。

3.531Mhz R8.7 L7.7
3.575Mhz R8.5 L8.1

7.041Mhz R7.3 L6.4
7.075Mhz R6.5 L7.0
7.150Mhz R5.5 L7.0

21.074Mhz R4.9 L5.0
21.150Mhz R4.0 L4.5
21.200MhzR3.8 L4.2
21.300Mhz R3.3 L4.0

28.074Mhz R6.0 L5.6
28.300Mhz R5.9 L7.5
28.500Mhz R9.5 L10.0

50.313Mhz R3.0 L4.1
50.500Mhz R3.6 L3.0

28Mhzだけは BAND21で使うが、後はすべてBAND表示通りである。

目視でメモリがセットできるようになった。
SSBなどは、チューナーを入れないで運用するが、FT8は 送信中に必ず使う
FT8は是非使いたいものである。




大分使いやすい チューナーに変ったけど、メモリが細かく欲しい
そこで、 3.5cmの バーニアダイヤルを仕入れた
クラニシの535は バーニア機構が入っているので、調整しやすかったのである

CAT−300のつまみと交換した。
方法は 12φのジュラコン棒を買って、ドリルで穴をあければ、バリコンとバーニアダイヤルを接続できる




これは、とても良い、

ちなみに、アンテナチューナーを入れると 当然ロスは発生する
内臓アンテナチューナーより 外部の方がロスは少ない
しかし、比較すると 周波数にもよるが、 14Mhzでは NT−535は ロスが大きく、CAT−300>>MJF という結果になった

ロスを気にするなら、 MJF−962D だろうけど、ローラーインダクタのメモリ合わせが大変である
次回は ローラーインダクタの3桁のメモリをなんとかしよう、、