430MHzプリアンプの製作
430MHz帯プリアンプの製作とノウハウ
HEMTは三菱のMGF4318Dを使用している。
入出力はBNCコネクタにして交換を容易にした。 ケースはマキ電機のケース単体を注文して作る。ビスや、銀メッキ線が付属している。
ケースの加工方法: 中板のHEMTを取り付ける穴は大きすぎるのと位置が悪いので、2mmの穴を開け直す。
穴位置はエアートリマとHEMTを最短に取付けられるような位置である。 エアートリマを取り付ける穴、BNC―Rを取り付ける穴を大きく開ける
半田付け: ガスレンジで全体を暖めながら、中板、外ケースの隙間に半田を流す。
ベタコンや、銀メッキ線を取り付ける部分には予備半田をしておく。 次に、ケースが暖かい間に、100W位の半田こてにてベタコンを貼り付ける。次に、45mmの長さに切った銀メッキ線を1ターンさせ、これを半田付けする。
貫通コンデンサを取り付け、78L02(3端子レギュレータ)やコンデンサ、ダイオードを取り付けてしまう。
以上をケースが暖まっている間に行う。 30W位の半田こてを用意して、HEMT、エアートリマ、銀メッキ線を取り付ける。53mmに切った銀メッキ線はHEMTの出力側に1ターンしてベタコンとエアートリマに取り付ける。
HEMTの出力(ドレイン)にはFB101のフェライトコアーを入れて銀メッキ線に半田付けする。
HEMTのソース側の2本の線は半分の長さに切ってベタコンに半田付けする。
注意することは、HEMTとエアートリマを最短で結ぶ、HEMTとベタコンも最短で、結ぶことである。後は、BNCやセラミックトリマ、等を取付けて終了である。
調整: 始めに、HEMTの(ソース側)ベタコンに27Ω位の抵抗を付けて抵抗の両端の電圧を測定する。その要領で10mA流れるように抵抗値を決める。決定したら、金属皮膜のチップ抵抗に交換する。
5Pのセラミックトリマは半分の位置に回し、入力側のエアートリマでピークを取る。出力側のエアートリマを左いっぱいに回した状態で約30dB位取れるように調整する。
35dB位取る事は可能だが、空Sや混信に悩まされることになるので約30dB位が望ましい。
実際に取付けて空Sが振っているようなら、始めに、セラミックトリマの10Pで静かになる地点に調整する。次に、出力側のエアートリマを時計方向に回してゲインを下げて空Sが
振らない点に調整する。
市販品と異なり、保護ダイオード等が入っていないので、とても静かで混信の少ないプリが完成する。
実際には27dB位に抑えて安定性を追求している。
自分で取り付ける場合は最大までゲインを上げても問題ないが、使用者の設備が解らない場合は、27dB位が安定していて使いやすい。
最後は入力の同軸ケーブルの長さで発振していないか確認すればOKだ。
発振すると、ゲインが不安定になるのでわかる。
備考:
2段プリにする場合は初段にゲインの高いプリを用いて、バンドパスフィルターの後に15dB位のプリが理想的である。
初段でノイズに埋もれてしまった信号は再現できないからである。
NanoVNAにて調整し、測定をする
OUT側の Lの長さと ボルトロニクスのトリマで ゲイン調整を行う
1台目は 27dB 2台目は 32dBに調整した。
当局のIC9700は 同軸ケーブルが35mもあるので、32dBを使っている
空Sは全く振らない、 内臓プリを入れると 空Sが7位まで振ってしまう。
クリエート727の性能がよいのだろう。
IC9700 は 内臓プリが入っているので、2段プリにしなくてもよい。直下プリ1個で 空Sを振らないように調整するのが良い、
RFゲインボリュームが付いているので、これで空S振らないように調整してもよい。
同軸ケーブルの長さ、アンテナ、環境にもよるが、20dB〜25dBが使いやすい。
直下プリを20dB程度にして内臓プリを使用してもよい。
失敗例のプリアンプを紹介しよう
下記のキャビティプリアンプは、誰が作ったののかは不明だが、エリート製のプリアンプを参考に作られたと思う
FHX35のHEMTは入手しやすく安いHEMTである。
これで作ると、発振しやすいのである
ゲインは33dBと書いてあるので、確かに 33dBとれる時もある、
入力の同軸ケーブル長さや温度によって、15dBになったり、33dBになったりする。発振しているのである
ゲインはあげれば良いというものではない。25dB程度に抑えて作るのが使いやすいのである。
設計が良くないプリアンプであるが、こんなプリアンプができてしまったら、
応急的に対応する方法があるので、実験してみると良い。
上蓋を取ってしまうのだ。ゴミ、埃が気になる場合は樹脂の板で塞げば良い。
以外に安定してくれる。
とりあえず、この不安定なプリアンプのカバーを透明樹脂に変えた、安定してくれた。
でも、25dBくらいがよいだろう。