430Mhz 用のリニアアンプが持ち込まれた
RFリニアアンプの知識は無いが、オーディオアンプは数多く製作して来たので、挑戦してみよう。
わからない事だらけなので、勉強のためである。
このリニアアンプは今から30年も前に430MHzが盛んな頃に作られた
入力は10W、25W、50Wで 出力は LOWで100W、Highで 200W出る物だった。
私の家では アンテナまでの、同軸ケーブルが約40m以上あるため、
HL130Uを使っても、アンテナ出力は40W程度であったため、リニアアンプは使わずに、
アンテナ直下に50Wリニアを付けて運用している。 (これで、JCC500、JCG400を達成できた)
今、東京ハイパワーのリニアは売られておらず、中古を修理して使う状態である。
修理業者も殆どいない
このリニアアンプは、数か月前に、埼玉の修理屋で修理されたものである。
200W出力OKで 戻ってきたが、持ち主曰く、使っていると、FMでは問題なさそうだけど、SSBにすると、
会話が途切れ途切れになるそうだ。
修理屋さんに問い合わせたが、相手にしてくれなかったそうだ。
MRF650 パワートランジスタが 5個使われており、修理屋さんで5個のTRを交換したようだ。
とりあえず、症状をみてみよう。
測定したら、10W入力で 60W(LOW) HIGH(100W)出ていた。
パワートランジスタは壊れていないようだが、パワーが半分しかでていない。
開けてパワーを入れずに送信モードにしたら、ネオンランプが点灯している。
回路図は、出力の回路の半分である。
2個のパワーTRを電力合成しており、出力に100Ωの抵抗とPLランプが付けられており、バランスが崩れると
PLランプを点くようになっている。
どのTRが壊れているか判断するのが楽である。
リニアアンプの破損は 通常 RFパワートランジスタであるが、またトランジスタが破損したのだろうか?
バイアスがきちんとかかっているか確認したら、Q2のエミッタ電圧が出ていない。
VR4 1KΩを計ったら、4KΩ表示した。
30年も経過すると 機器の不良は、コンデンサの容量抜けや、半固定抵抗の接触不良(ガリ)が原因が多い。
このリニアアンプも同様の症状にようだ。
バイアス回路は2か所あり、1kΩの半固定抵抗がついていたので、半固定抵抗を良品に交換したが、
もう一か所は業者によって交換されていたが、どういうわけか、100Ωの半固定抵抗に交換されていた。
バイアス電流が気になるところである。
バイアストランジスタの横についている、直列のダイオードは 放熱フィンに密着させて、温度補償をさせている
トランジスタは、発熱すると バイアス電流が流れ過ぎて、トランジスタの熱暴走を起こしてしまう。
オーディオアンプでは このダイオードを直接、出力TRに貼り付けて補正している
バイアス電流の測定は、オーディオアンプでもやっている方法を用いた。
コレクタに、0.47Ωの抵抗を入れて電圧を測定する方法である。
50mVで コレクタ電流 100mAになる。
オーディオアンプは B級アンプで 約50mA AB級で 1.2A A級で3A位流しているが、
流し過ぎると、トランジスタの発熱になる。音が歪まない電流値でよい
ちなみに、電池式アンプは D級動作させている。
RFリニアアンプはどのくらい流せばよいか知識がない。
とりあえず、直線領域で増幅させるため、 AB級動作が必要なようだ、
ネット製作記事をみると、100mA〜200mA流しているようだ
修理業者が交換した100Ω半固定抵抗では1A位流れてしまうので、図面どおり 1kΩに交換し直した。
業者の修理ミスかもしれない。
少しづつ抵抗を小さくして、アイドル電流を 150mAに設定した
アイドル電流と、出力パワーの関係の勉強はまだまだである。
とりあえず、組立直して、10W、25W、50W入力してみたら、150W程度でる
430Mhzはケーブルロスを含めても 100Wもあれば、アンテナ出力は50Wになるだろう。
電源が30Aしか流せないので、150Wしかでない、、。
SSBで運用してみたが、歪みもなく会話できた。
後日、
60Aの電源を使ってみたら、230W位出ていたとの事
アイドル電流は100〜200mAで良いみたいである。
430Mhzは同軸ケーブルのロスが大きく 30mも10D−FBを這わせると 半分以下になってしまう。
許可されている 50Wを出力するにも、
リニアアンプで駆動させてやらないと、50W出ない。