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W1JR アンテナ
W1JR、K1FO,F9FT いろいろな種類の製作記事がある。
F9FTは古典的なデザインで、アンテナエレメント、間隔も等間隔のデザインである、昔コンピュータなどなかった時代に作られた。
コンピュータ(パソコン)のソフトができてから、最適化と言う手法によって生まれたデザインは改善の余地が無いほど進化した。
W1JRや K1FO系は 最適化されて、ブーム長が同じなら、最高性能と言われている。
よって、最近のアンテナは(W1JR)はエレメント間隔やエレメントは1本1本違っているのである。
W1JRさんが作ったまま作るのもよいが、自分なりにアレンジするのが趣味の世界だ、
今回はW1JRのアンテナをアンテナシミュレーション(MMANA)を使って最適化して作ってみよう。

設置の難しさ
430Mhz 2列2段は 約40kg
318−40 は約20kg
10エレメントHB9CV 144Mhzは 約5kg
問題は、アンテナ干渉の問題である
1.5m以上離せば、アンテナ干渉は少なくなる、ちなみに2m離せば、318−40と 430Mhzのブーム干渉は無くなった
2mアンテナの12エレメントはブームが約6mあるので、28Mhzに大きく干渉して SWRは2.0近くになってしまう
318−40 HFエレメントを直角に設置すればよいことなのだが、
クリエートアンテナのエレベータマストにどのようにとりつけるかが、課題なのである
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W1IRの製作
ブーム長 6m(2mの角パイプを3本接続する)で製作する。
約12エレメントになる
下記の図面は、W1JR 12エレメントの基本図面である。

ブームは アルミ角 20mm 1.5mm厚を使う
スタックブームは 35mmパイプが2mなので、32mmのパイプを接続して 3mを確保する (アルシャン工業)
エレメントは 6mmφ のパイプを使う、 (アルシャン工業製)
アルシャン工業のアルミパイプは ホームセンターのと比べて強度があるので、多エレメントにする場合はお勧めである。
放射器の製作


放射器には T型やガンママッチ、フォールデットなどがあるが 一長一短である
ガンママッチは簡単で調整も楽なので自作で使われることが多いが性能がいまいちなので、性能優先に作る場合はTマッチかフォールデットだろう
真鍮や銅で作り、ショート部分ははんだ付けする。
今回製作したのは 6φのアルミパイプである
アルミ棒には注意が必要である。ホームセンターのアルマイト処理のアルミ棒は曲げると折れてしまうことがあるので使えない。
アルシャン工業の6mパイプを使った。 手では曲げられないので、万力で少しづつ曲げていく
試作品の給電部は アクリル板で作る。3m、2m厚のアクリル板を切って アクリル接着剤で作る。以外に簡単に、作ることができる
アルミ棒の先端に3mmのタップを切って、同軸ケーブルをビス止めする
Uバランを取り付け、インピーダンスをマッチングさせる
試作で成功したので、 樹脂ケースに入れ込んだ、
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さて、エレメントの製作である
MMANAシミュレーションで最適化してみる。
周波数は 144.100Mhzである


最適化は、基本のエレメントと間隔を入力して、ゲインMAX、SWR最小に設定して計算させる。
その後、エレメントや間隔を適当に変更して 追い込んでいく。
エレメントの長さや間隔が少しづつ変っているのがわかる。

これでは、ミリ単位で作りづらい、、せめて、5mm単位にもっと丸めてみよう。
シミュレーションで作ったアンテナの性能がどのようなものかは、個人で判断すべきだろう。
昔、おしゃれなラジカセ U4が一世を風靡した。
当時、は歪率とか周波数特性を重視して、ラウドネス、トーンコントロールなどで、調整していた。
しかし、 ラジカセ U4は その概念を無視した。
20歳世代の人たちが趣味で、毎日、音楽と格闘して、音の追求の為、スピーカーや回路をいじった。
当然、歪率、周波数特性なんて無視した。
売れた、、、
音が良いから、、
性能と実感を問われたのである。
アンテナも同様、シミュレーションで作ったアンテナは実運用してどうか??
自作すると考えさせられる課題となるだろう。
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エレメントをフロートにした。
HB9CVは アルミの角パイプに穴をあけて、取り付けたので、ブームとエレメントはショートしている。
フロートにすると、性能がよくなるのかは不明だ。手間をかけ、凝ったアンテナにするのも一興である。
一般的な製作例は 角アルミブームに穴を開けて 樹脂ブッシュフロート化して ブッシュナットで止める
エレメントは凝った取り付け方をしてみた。
10mmのPOM樹脂を35mmの長さに切って、 3mmのビスで固定する 触れても動かないように完全に固定している
ブームと直角にエレメントをつけるようにタップ穴を切る。
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実際の設置は 9エレメント(約4m)にした。
12エレメントは6mにもなると、20mm角材のブームが強風に耐えられるか疑問だったからである。


地上で組み立てて、SWRを測定してみた。
ほぼ、SWR=1.0に近くなり、バンド幅も 144Mhz〜147Mhz位まで SWRはフラットな特性になっている。
放射器が 折り返しダイポールのため、性能がよいのだろう。
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20mの高さに設置した、 HFアンテナとの距離が近いのでアンテナ干渉が気になるところである
7Mhz、14Mhz、21Mhz は干渉は無かったが 28Mhzは 多少干渉して SWRが1,7位まで上がってしまった。

144Mhzスタック+35m同軸のSWRは 約1.3位に収まった
放射器を折り返しダイポールで製作したので 143Mhz〜147Mhzまで SWR7はほぼフラットな特性になっている
HB9CVアンテナは調整が難しく SWRも下がらないので お蔵入りになった。
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W1JR 6エレメント スタック
9エレスタックで運用していたが、 18Mhz RADIXアンテナを 4エレメントのミニマルチに交換した
RADIXは 300WPEPなので、100WのFT8では入力オーバーになる
ブーム長が約4mでないと設置できないので 18−24Hを選んで 24Mhz帯も出られるようにした
24Mhz のλ は 約6m
18Mhzは 約8m
重さと干渉の問題から 144Mhzのブームを2mまで 短くすることにした。
スタック幅の計算から スタック幅は 約2mとした。
今までは 4mで 18Mhzとの干渉は無かったので、問題は無いとおもうが、、、

18−24Hアンテナから 1mしか離れていないが、干渉するだろうか?
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